令和3年度 京大ロー入試 民法第1問

 ※模範答案ではなく再現答案(構成)です

 ∇答案構成

 

第1 問1 
1 まず、AはAの乙に対する抵当権に基づく返還請求をすると考えられる。
 ⑴乙は甲の従物であるが従物に抵当権の効力及ぶか。
  →370条により効力及ぶ
 ⑵抵当権に基づく返還請求は可能か。
  →抵当不動産の交換価値が妨げられて抵当権者の優先弁済権の行使が困難となるような事情あればOK
  →交換価値実現が妨げられていると言えるため請求認められる。
2 また、AはBのDに対する所有権に基づく返還請求権を代位行使(423)することも考えられる。
 ⑴責任財産保全の目的ではないが代位権の転用できるか。
  →債権保全の必要性が認められる限り代位権行使できる。
 ⑵要件検討

  →被保全債権は担保価値維持請求権、保全の必要性も肯定
  →代位行使可能


第2 問2
1 Aの請求の根拠は抵当権に基づく返還請求権
  乙に抵当権及ぶことは上述の通り
2 甲から分離、搬出されたことで抵当権の効力失われないか。
  →失われない
3  ⑴もっとも、Eに対抗できないのでは?
  →搬出されれば第三者に対抗できない
 ⑵ ではEは第三者に当たるか(背信的悪意者に当たらないか)
  →背信的悪意者であるため第三者に当たらない。
  →AはEに請求できる。

                                以上

 

 

 

 

 

 

 

ざっっっくり答案構成するとこんな感じだったと思います。

 

本番でのあてはめの分量はもちろん事実を使って書いていますが、可もなく不可もないような無難なあてはめに過ぎないので割愛させてください。

(書いてたら心が折れる自信があります)

 

 

∇感想

 

問1の返還請求について書き方に迷った挙句、抵当権に基づく妨害排除請求の論証(最判平17.3.10)を貼り付けましたが、これは不要だったと思います。

妨害排除と違い、返還請求が必要な場面において抵当不動産の交換価値実現が妨げられるのはまあ当然と言えますし、もっとストレートに物権的請求権としての返還請求権を認めるべきだったかもしれないです。

 

問2についてはありがちな問題という感じだったので公示の衣をペタペタと貼れば問題ないのではないでしょうか。

 

 

受験生の方へ、もちろんですが、この答案構成は合格者の答案であってそれ以上でもそれ以下でもないため模範とするには稚拙に過ぎると思います。

あくまで参考程度でお願いします。

 

 

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